  revival 36%1/13ﾍﾟｰｼﾞ目 「おっ！こんなにデカかったのか」 と、丙火が倒れている怪鳥を見て感嘆の声をあげる どうやら、ヒメナ達と合流したようだ ｢あぁ。意外と早く終わった｣ ｢……將霞。戻らせてもらうぞ｣ 壬水は相変わらず斜に構えている ｢…あぁ。助かったよ、ありがとう｣ ｢……ふん｣ と顔をそらせ陰形する 將霞には陰形する直前の一瞬、壬水が微笑んでいたのがわかった ｢…不器用なやつ｣ 呟いた將霞は丙火に耳打ちする ｢…壬水に『可愛いやつめ』って言っといてくれ｣ それを聞いた丙火は半笑いになる ｢了解。アイツ暴れるぞ～｣ ニヤリと笑い、宣言して陰形した ウェスパーは怪鳥を見つめ、ノーレッジに声をかける 『コイツ…ダスクだな』 ｢それがどうかしたの？｣ 『ケストレルがコイツの羽を欲しがってたな。研究に使うんだと』 ｢へー。んじゃもっていってあげよ。優しいから｣ 優しいから、をかなり強調し、２、３本でいいよねとまず１本抜いてみる すると、意外とスポッと抜け、重くなかったのだが、長さが尋常ではなく、ノーレッジ３人分程の長さがあった ｢…でかすぎるでしょ｣ 流石に１人で２、３本も持てない為、理由を話して將霞とヒメナに１本ずつ持ってもらう事にした ｢…柏椰に報告しにいこうか。ケストレルも城に居るだろう｣ と、目的地を城に決定し、騎獣にまたがり出発した ｢……遅い｣ 王に待っとけと言われてからだいぶ経つ 先程、無事討伐完了の確認をしたと城壁から観察していた部隊から報告があった ｢仕方がない、探すか…｣ と待ちぼうけをくらわされた柏椰は、王の行きそうなところを思索する ｢王の間…は違うか。ならば自室しかないな。どうせここを出れば王の間に繋がっているから｣ と、とりあえず庭園を後にし王の間にでる キョロキョロと見渡してみるが、 ｢やはりいないか｣ と呟き、そのまま王の自室へ向かう そして、自室の前まで行き、ドアをコンコンとノックして声をかける ｢陛下？いらっしゃいますか？｣ が返答はない ドアノブに手をかけ、回してみると鍵がかかっていた (…普段陛下は鍵をかけておくことなどしないはずなのに…) 妙な胸騒ぎがして、ガチャガチャと揺らす が、ドアは固く閉ざされたままだ ｢……強行突破しかないですか…｣ と懐を探るが、探しているものは見つからない ｢……そういえば降魔椅天剣は將霞に貸したままでしたね…｣ 剣でドアを斬ろうと思っていたのだが、斬る剣がないので、仕方なく少しドアから離れる ｢失礼｣ と呟き、バンッとドアを蹴破る 大きく開け放たれた窓から差し込む日光 風に揺れるカーテン 柏椰が部屋に入り、王を探していると、机の近くで倒れている王を見つけた ｢陛下！しっかりしてください！｣ 駆け寄って上半身を軽く起こし上げ、揺さぶりながら呼ぶ ｢陛下！陛下！｣ 何回か呼ぶと、小さく｢うっ｣と呻く声が聞こえた ｢ご無事で…｣ 心底ほっとする柏椰とは裏腹に、起き上がった王は立ち上がり、伸びをする ｢んぁー。よく寝たわ｣ 王の口から発された言葉 一瞬で、柏椰の｢心配｣の気持ちが｢呆れ｣に変わった ｢……ただ寝ておられたのですか｣ ｢多分な。寝る前の記憶がどーも｣ 沸々と沸き上がる感情 だが、柏椰は何とか抑え、重い溜め息をついた ｢あなたがこうして寝ておられる間に、３人が討伐を終えました｣ ｢お、そうか。意外と早かったな｣ あくまでもお気楽な王 本当に一国の王なのだろうか 柏椰が、この国の行く末を案じていると、王が思い出したようにいう ｢あ そうそう、コレコレ。見せたい奴｣ と封筒を指差す ｢モンスターを討伐しに行った３人って誰だ？｣ ｢魔撃特攻隊造形魔法部隊所属で、ケストレルの妹のノーレッジ・ハーチュリー。史上最年少で騎士団第一師隊隊長になった、アイラナ・ヒメナ。そして、王もご存知の陰陽寮蔵人頭の魁 將霞です｣ ｢將霞…あぁ、月に一度結界張ってもらってる子か……って全員女の子じゃないか！｣ 予想外の事実を知ったためか、声が大きくなる ｢はい。しかし、３人揃って各種族のエリート。私達、王国三剣の次期候補です｣ 珍しく柏椰の話を真剣に聞いていた王はしばらく黙りこみ、思いついたように言う ｢よし。その３人を庭園に連れてきてくれ。３人にも話したいことができた｣ ｢何でまたそのよう｣ ｢いいから、命令だ。急いでくれ｣ しょうがなく、王に言われた通りに、３人を連れるべく王の自室を後にする ｢陛下はいったい何を考えておられるのだ…｣ ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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